損して得とれ

CROOK - 派遣社員と正社員のコスト差 で病気がちな派遣さんを変えない方針に対して憤るトコじゃないよそれ!と書いたのですが補足エントリを読んで自分の思慮不足を感じたので再び書きます。

派遣社員は同僚じゃないのか:補足記事

私の勤務先はふつうの会社ではない。株式を上場している純粋な民間企業なので、もちろん利益追求が大前提。ここ数年はきちんと黒字経営でやってます。そうでありながら、社内統治の原則は結果平等志向で、人に優しい会社を目指しているのです。

会社(社員?)自体がそういうコンセプトだったのですね。こんな世知辛い時代に企業や社員が利益以外も大切にするなんてすごい事。そんな風土の会社なのに若手が当たり前のように否定的だった事に驚き、そして怒りを感じたって事でしたか。

私は「人心の荒廃した平成ニッポンに、まだこんな会社があったのか!」と感動して入社したような人間なので、幹部の方針に若手も協賛しているものと思っていました。でも、違った。これが衝撃だったのです。

時代のせい、と言うと戯言にしか聞こえないですけどそう感じる事が多いですね。若い人(新人か入社3,4年目と勝手に憶測)は合理的に考えがちだと思います。

なぜ若い人間は合理的に考えがちなのか

IT業界の片隅で仕事をしている自分の実感としては内容こそ変化しつつも未だにITバブルが続いてると思います。バブルと言うのは実力以上の金が流入してるって事です。ITバブルに限った事ではないですが何となく目先の小銭*1を追いかける事が美徳みたいな現在の風潮って間違ってると思う。そりゃ自分もゼータクしたいとは思う。けれどそれによって大事な物を失ってる・失う事になる気がしてならない。10年先、50年先をもっと見つめて考えた方がトータル的に良い生活が送れるはずだ、と。

しかし先行き不透明なんですよね。年金問題を始めとして明るい将来像が描けない要因が現代には多過ぎる。高度成長期を過ごしてきた老人たち=政治家はそれがわからない。わからないから具体的な手を打たない。打つ素振りだけ見せて優先順位をちっとも上げない。そこで若人たちは考える。将来がダメなら今を生きよう!Seize the day!ってそういう意味じゃないだろうー。気持ちはわかる。「だけど、それでも」と思わずにはいられない。

職場から追い出したって、同じ日本人に死ねとはいえない。行政が助けることになる。そのお金は誰が出しているのか。やっぱり私たちでしょう。

だから自分の職場で病気がちな派遣さんを抱え込もう、という気持ちに自分はなれませんがこの考え方はとても重要だと思います。

病気がちな派遣さんをチェンジする(支える事を放棄する)
↓
会社において自分が受ける恩恵が増える(仕事の軽減・コスト減による収入アップ?)

目先の利益に捉われてる人たちってこれしか見えていないですよね。

病気がちな派遣さんをチェンジする
↓
派遣さんが生活苦に陥る
↓
行政が金銭面で援助
↓
税金が使われる(結果的に自分たちが支えている)

こういう側面を全く考えていない。郵政民営化が議論された時も安易な考えが多くてビックリしたのを覚えています。「郵便局が遠くなるから反対!」て。ハガキを出すまでの時間が10分増える事がどれだけ人生において重要だって言うんだよ。その10分にも間違いなく税金がかかっていてその税金ってのは自分たちが出した金なんだよ。まあその10分で浮いたお金は別の無駄に使われてるけどもそこはしっかり考えようって事です。

目先の利益を追うのも良いけれどもっとマクロな視点で物事を見て聞いて考えないと!そう思いながら目の前のニンジンにハァハァしちゃうんだけどさ。

*1:10億未満は全て該当していいと思う