他者を批判する時にどのラインに立つか問題

たとえばわたしが「安藤美姫ブサイク。研ナオコに似てる。顔つきも体型もあのすきっ歯もすべてが薄汚い。その薄汚さは根本はるみ級。カーッペッ!」と言ったとするじゃないですかええもちろんたとえ話しじゃなくて本心なわけですけど。それに対して誰かが「ひとのこと言えるのか」とか「自分のこと棚に上げて」とか「おまえのが不細工だ」「おまえのが汚い」と言ったとするじゃない。

俺はおまえに言いたい。あああああああわかったよ!じゃあとりあえずおまえが黙れや。一生くちをつぐんでろ。ああそうだろ?自分のこと棚に上げちゃいけないんだろそうだよな棚に上げてひとのこととやかく言うなと。じゃあおまえがまず黙れ。いちばん先に黙れ。

要約すると「あの芸能人ブサイク」と言った人が「芸能人にもなれないオマエが言うな」と諭されて「そんな事を言ったら喋れないだろヴォケが!」って言い返してる感じ。ホントそうだよね。

これはすごい頻繁に遭遇するシチュエーションだと思う。サッカーとかスポーツ観戦時の議論なんかが典型だと思うんだけど例えばサッカー日本代表のFWってよく叩かれるじゃないですか。そんな時って話し相手がどのラインで批判しているかってのは重要だと思う。顕著なすれ違いを挙げるとすればある人が「歴代の日本代表FW」と比較し、もう一方が「現時点での最強FW」と比較しているケース。前者にしてみれば少しずつでも成長している点を評価したいんだろうし後者は後者で成長してても現時点で勝てなかったら意味ねーよって言いたいんだと思う。

日本代表ならまだ良い。「Jリーガーでもないオマエが批判するってのは棚上げ前提だよね」という暗黙の了解が発生しやすいから。これが微妙な芸能人、もっと身近な人の批判となると暗黙の了解が発生しにくくなるからややこしい。

自分は昔フットサルをやっていて試合後の飲み会で敵チームを褒める初心者に対し「あんなのカス。だからオマエはダメなんだ」と苦言を呈していた上級者とチームメイトだったんだけどそれは無いだろうと思った。上級者としては自分より格下のプレイヤーが褒められる事に対して腹が立ったのかもしれない。でも発言したのは初心者だ。彼なりの向上心があって見習うべき部分を敵に見出したのだからその視点でアドバイスすべきであって何でもかんでも自分のラインで話をするのは良くないなあと。

自分もブクマなんかで誰かに対して偉そうな事を言ったりするけれど「そんな事を言うオマエは彼らより賢いのか?」と問われたら言葉に詰まってしまう。謙虚な気持ちがほとんど無い自分だってYESとは言えない。そ、そもそも自分より明らかに下だと思う人のブログなんて読まないっしょ!とか逆ギレしたくなる。そんな細かい事を言ってたら発言出来ないっつの。

かと言って全てフリーダムにしたら賢い人が虐げられる状況に陥ったりしてそれはそれで嫌だから微妙なラインを探りつつ前進していくしか無いんだろうけど。