読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

暗号解読

レビュー BOOK

暗号解読―ロゼッタストーンから量子暗号まで

暗号解読―ロゼッタストーンから量子暗号まで

これは面白かった。サブタイトルがロゼッタストーンから量子暗号までなので当然内容は紀元前から現代までとなるわけで世界の歴史を駆け足で読むような過酷さでした!謎解きは大好きだけど数学的素養がないのでシンドイ!でも次から次へとナイスエピソードが出てくるので止められない!おかげで脳内ファンがフル稼働しっぱなしで耳から熱や煙がシューシュー出てました。章ごとに短評を書くのである!

スコットランド女王メアリーの暗号

ロゼッタストーンから始まるんじゃねーのかよ!っていうね。しかしこの演出は成功。メアリーの処刑って暗号書簡の解読が決め手だったのか!*1といきなり引き込まれました。カエサルが暗号作ってたとかスキュタレーっていう木製の巻き軸を見てダ・ヴィンチ・コードに出て来たクリプテックスみたいだ!とかのっけからワクワクしちゃった。

解読不能の暗号

ヴィジュネル暗号は頻度分析に強いけど方法を見てメンドクセー!とか思ってたら当時の人達も同じ反応だったようで長いこと無視されてたそうな。セキュリティが強固でも使い勝手悪いと浸透しないよね。企業でのコンプライアンスが重視されてる現代でも同じだよね。すっげーセキュリティシステム構築したところでユーザーの意識が杜撰ってケースはよく見かけるし。なのにロシニョル父子が作ったルイ14世の大暗号ってのがすごい面倒な仕組みで吹いた。そんだけ手間隙かけてりゃ200年ぐらい解読されねーよ!鉄仮面伝説やヴェルヌの地底旅行、ポーの黄金虫やコナンドイルの踊る人形なんかも取り上げられてるが最も興味深いのはビール暗号。

  1. 2000万ドル相当のお宝が未だに見つかってない
  2. 1885年から未だに解かれていない暗号

この2点はものすごく魅力的。Wikipedia全文が載ってるようなので興味がある人はチャレンジしたら良いと思う。

疲れたし長くなったからこの辺にしとく*2けどエニグマっていう暗号作成機械とそれに対抗して作られたボンブという暗号解読機械の話など暗号作成者VS暗号解読者の戦いの歴史はかなり熱い。そしてRSA暗号が誕生するまでのエピソードが超熱い。当たり前のように利用している公開鍵の概念なんて最初から知ってると大したことないように思えちゃうけどその発想の転換はもの凄い事なんだと思った。ネットバンキングなんかで気づかないうちにお世話になってる電子証明書は彼らの活躍があったからこそなのですね!量子コンピュータが開発されない限り安全な暗号と言われてるけど過去に安全と言われた暗号がことごとく解読されてる歴史を読まされるともしかして!と思わずにはいられない。まあRSA暗号が解読されたなんて事になったら世界は大混乱になりそうなんで解読されてもその事実は伏せられたままな気はするけどね。

んで出てくる天才たちがほとんど「○○という謎を知ってからいつか自分が解いてやろうと思っていた」みたいな感じなんですがそれを読んでる俺自身もフェルマーの最終定理を解いてやろうと思ってたクチでして思うだけじゃダメなんだなあという事実を痛感した本でもありました。とっとと解かれて良かったホントに。

*1:世の中の決定事項って後付けな理由がほとんどなんで未解読だったとしても処刑されてた気はします

*2:全部で8章あります