ブルータワー

ブルータワー (徳間文庫)

ブルータワー (徳間文庫)

石田衣良が未来小説を書くなんてイメージ無かったので読んでて驚いた。そして面白かった。

悪性の脳腫瘍に侵され余命数ヶ月の男が精神だけ二百年後の未来へとトリップするお話なんだけどパーソナルライブラリアンってテクノロジーが良い。腕時計みたく手首に巻いてるんだけど呼びかけるとネコの執事みたいなのが出て来て何でも質問答えてくれちゃう。スケジュールも管理しちゃうし健康も管理しちゃう。

細かい部分ではツッコミどころが結構ある。二百年後という未来の世界がかなり稚拙な設定だし、エロ描写も不要な気がする。だけどそれでいいんだろうなあ、と。これ前にも石田衣良作品を読んで言ってた気がするなーと思ったけど実際に言ってた。

IT業界にいなくてもちょっとPCやネットに詳しければ技術的な描写は無理ありまくりなんですけどそこはまあ小説なんで。

細かい部分にこだわって説明調な物語も困る。もうちょっと細部詰めれば完璧なのに!と思わないでもないけど読んでる最中は気にならなくなるぐらいな世界に入り込める。余命いくばくもない主人公に同情しちゃってるからかも。