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乱暴と待機

乱暴と待機 (ダ・ヴィンチブックス)

乱暴と待機 (ダ・ヴィンチブックス)

読み始めてしばらくしてタイトルを見直す。ああ、乱暴と待機。ジャケットは奈々瀬か。

出だしは昭和テイストというか乱歩とかそういう時代の雰囲気を漂わせてる気がした。屋根裏という言葉から屋根裏の散歩者 (角川ホラー文庫)を連想するからだろうけど実は読んでない。読んだ事があるのは天井裏の散歩者―幸福荘殺人日記 (角川文庫―角川ミステリーコンペティション)だし聴いた事があるのは天井裏から愛を込めてでしかない。屋根裏から妹を監視するって読む気があんまりしねえなあとも思った。しかしそんな饐えた匂いも全部で30ある章の1つだけ。2つ目からいきなり現代へと呼び戻される。

笑わない主人公を笑わせようと妹が笑いの勉強をしてるんだけどやりとりが微笑ましかったので読もうと思った。笑いに対して真面目に取り組んでる様は第三者的にはおかしくて仕方ない。

で内容なんだけど相変わらずの本谷節というかホント出て来る女が歪んでて読むのがキツイ。他人から嫌われる事に怯えていいように利用されちゃう人もそりゃあいるんだろうけどこれはちょっとなあ。抱かれる事でしか自分に女を見出せないって感覚も実際にあるんだろうし実例も知らないとは言わないけどそういう人に遭遇するとそこに至った過程にどうしても目が行ってしまう。良くない傾向は必ず連鎖するからどこかで断ち切らないといけないんだけど切るって事は痛みを伴うわけで他人に対して痛いけど我慢しなよなどとは言えないわけで。

ラストは悩んだ挙句、これでいいやーってテキトーに投げた感じがしなくもないけどまあ俺的には悪くない落としどころでした。