結婚式は本当に無駄なのか

要は、めんどくさいんだ。激しく。金もかかるし。「婚姻」と言う法律上の制度はえらく簡単だ。紙一枚の話だから。だが、それだけですむことはまずない。特に田舎なら。(中略)だから、結婚がしにくいのだ。できないんじゃない。だから、しなくはないが、婚期が遅れかねない。婚期が遅れれば出産適齢期も過ぎる。たくさんの子供を作るのはつらくなる。

要約すると少子化対策の第一歩は結婚式の廃止であるってとこかな。

確かに結婚式というものはお金も時間も膨大にかかるし合理的とは程遠い。たった一日の為に何日も何百万も費やすぐらいなら結婚後にその時間とお金を使った方がはるかに合理的だと思う。では廃止した方が良いのだろうか。

自分はそう思わない。結婚式不要論を目にした時にいつも連想してしまうのは昔あったテープレコーダーの録音ボタンだ。

メーカーによって差異はあっただろうけど大抵の製品が録音時は録音ボタンだけでなく再生ボタンなど二つのボタンを同時に押さなければならなかった。頭の体操かなにかで読んだけれどこの一見不便に見える仕組みには誤操作(誤消去)を防ぐ意図が込められていたそうだ。後に録音ボタンを押すだけの仕様に変わっていったけれど当初の意図が込められなくなったわけではない。あくまでワンタッチになっただけで録音ボタンを押し下げると同時に再生ボタンも押し下げられる仕組みになった。一見すると意味がなさそうだが押し下げるのに必要な力が再生ボタンひとつより重かったので違いはきちんとそこにあった。

結婚式にもそういった意味があるのではないか。逆に言うと世の中の結婚が全て紙切れ一枚で済むようになったら弊害が出るのではないだろうか。すぐに思いつくのは離婚率の上昇だ。子供がいなかったら好きにしたら良いと思うけど子供がいる場合の離婚は安易に考えて欲しくない。親の離婚は子供が不幸になる確率が上がる。あくまで上がるだけですけどね。そんで不幸な子供は不幸な大人になる確率が高い。そして不幸な大人は自分か他人のいずれかを傷つける確率が高い。

勘違いしないで欲しいが片親の子供は全て不幸だと言っているわけではない。母子家庭でも父子家庭でも立派な大人になった人はたくさんいる。しかしそれは母親なり父親なりが一人で二人分頑張ったからなのである。だから自分一人でも子供に悲しい思いはさせないという覚悟を決めたのであれば離婚したっていい。もしくは既に母親一人で育てているに等しいですという家庭。これはもう今すぐ離婚協議に入ってください。養育費は数年で滞る事が多いのでしかるべきとこに相談して上手いこと天引き差し押さえシステムを組もう。覚悟決めたら抜け目なく足場固めてレッツ離婚!

話がそれたけど結婚式や披露宴をやる事で些細なケンカから離婚する事態はかなり避けられるんじゃないだろうか。逆に言えばそれだけ結婚に対して慎重になるわけでそうなると少子化対策からは大きく後退する。けれど産めばいいってわけじゃないからさ。少数精鋭にすべきとは思わないけど不幸な子供はいない方が良いに決まってる。そもそも不幸ってのは連鎖するじゃないですか。悲しみという遺産は相続放棄出来ればいいのにね。

その辺の話を無視して結婚に対するハードル下げろって意見はちょっと乱暴だなあと思った。二次会の幹事とかやってると披露宴との予算の差に驚くから無駄に高いブライダル市場の料金設定は何とかした方がいいとは思うけどね。