Q&A安心できる遺言のすすめ

法律用語としては「いごん」らしい。最初の方に遺産相続にまつわるトラブルがあって入りやすい。遺言は必要になった時からでは手遅れってのは俺も思うなあ。親族がガンになった時の延命治療是非も似てる。備えるなら早い方がいい、でもネガティブな話題なのでこちらからは言い出しにくいってとこが。

トラブルの一つはお父さんが予め公正証書を作成していたのに想定になかった展開となった為に発生するトラブルが書かれていてなんだかなあと思った。パーキンソン病で倒れて要介護状態のお母さんがお父さんより先に死ぬって事態が想定外なんだけど想定しとけよ。お母さんにも親から相続した土地があったからお父さんが一代で築いた会社と全て合算して息子二人にどう配分するかってだけ考えちゃったぽいな。最終的にはお父さんもお母さんも死ぬわけで双方が死んだ後は合算でも問題ない。でも両親の死にタイムラグがあったら単純にはいかないよなあ。

兄:父の経営する会社や不動産まとめたうちの四分の三
弟:父の経営する会社や不動産まとめたうちの四分の一。母の土地。

こんな感じ。これだけでは等分にならなかったようで弟が母の土地を相続する際に発生する相続税分としてその時に兄が3,000万を支払うって条項があった。けどお母さん先に死んじゃったから兄は何も相続してない状態からいきなり3,000万の出費。そら揉めるわ。

他はタイトル通り質疑応答集なのでいくつかピックアップ。

Q3.「相続人」とは

第1順位:被相続人の子(とその代襲者)
第2順位:直系尊属
第3順位:兄弟姉妹(とその代襲者)
および配偶者

順位は順番というか1位がいなかったら2位にってこと。代襲者ってのは子供って事でいいと思う。直系尊属ってのは尊属が親の事だから親でいいかな。わざわざ直系って書くのは配偶者の親は違うよってところか。

Q33.「遺言」にはどのような方法がありますか

  • 普通の方式
    • 自筆証書遺言・・・ミス・改竄・紛失の恐れあるけどお手軽カンタン。自書以外無効
    • 公正証書遺言・・・公証人の前で口頭し作成してもらう。公証役場が原本を保存。ミス・改竄・紛失の恐れないけど金と時間かかるよ証人二人も必要だよ
    • 秘密証書遺言・・・公証人に認めてもらうけど内容は伏せたまま。持ち帰り。自書以外も有効。

秘密証書遺言の存在価値がわからんけど公証人はいいとして相続人だけじゃなく証人にも知られたくないよって場合に有効なんだろうか。どうせ書くなら公正証書遺言が良さそう。証人二人は相続人に近い人はダメとか未成年ダメとかあるけど公証役場で相談すれば何とかしてくれるようだ。費用は以下。

(目的の価額) (手数料)
100万円以下 5000円
100万円を超え200万円以下 7000円
200万円を超え500万円以下 11000円
500万円を超え1000万円以下 17000円
1000万円を超え3000万円以下 23000円
3000万円を超え5000万円以下 29000円
5000万円を超え1億円以下 43000円
1億円を超え3億円以下 4万3000円に5000万円までごとに1万3000円を加算
3億円を超え10億円以下 9万5000円に5000万円までごとに1万1000円を加算
10億円を超える場合 24万9000円に5000万円までごとに8000円を加算

うーん、訂正など再作成を考えると気軽に何度も出せる金額ではないかもしれない。それでも自分の死後に子供たちが揉めない為の予防接種費用と考えればまあ大した事ないんじゃないですかね。

Q15.「特別受益者」の相続分はどのようになりますか

減ります

特別受益者というのは被相続人から遺贈を受けるか生前に贈与を受けていた相続人の事。例えばお父さんの遺産1億円をお母さん・長男・長女で相続する場合、通常であれば

配偶者であるお母さん5,000万(二分の一)
長男2,500万(四分の一)
長女2,500万(四分の一)

となるが長男がマイホーム資金の援助などで2,000万を既に受け取っていた場合

1億円(遺産)+2,000万(長男受け取り分)

が相続財産とみなされ

配偶者であるお母さん6,000万(二分の一)
長男1,000万(計算では3,000万だが既に受け取っていた2,000万を差し引いた)
長女3,000万(四分の一)

となるようだ。

Q&Aが81ある他にもケーススタディーが18あって面白い。特殊なケースだけど親が離婚していて知らない兄弟がいるって人は遺留分減殺を知っておいた方が良いかもしれない。

CASE2.法定相続人に当たる人に財産を残したくない

妻と子供一人のいる男性、先妻との間にも一人子供がいる。音信不通だし今の妻と子供に全て与えたい。財産は今住んでいる住まい(4,000万相当)と預貯金4,000万です。

相続人は今の妻と子供二人

一人じゃなくて二人!先妻も再婚してる可能性あるじゃんね。まあでも子供は子供だしなあ。

今の妻が二分の一(4000万)、二人の子がそれぞれ四分の一(2,000万)の割合で相続しますが今の妻に住まい(4000万)その子供に預貯金(4000万)を相続する趣旨の遺言をします。

ああ、そういう事も出来るのね。

しかし、そうしておいてもあなたの意図通りになるとは限りません

な、なんだってー!!!

なぜなら先妻との間の子供には法定相続分の二分の一の「遺留分」があるからです

遺留分!おそろしい子!先妻との間の子には遺留分減殺請求をする権利があり請求された場合は従わなくてはいけない。上記ケースだとこんな感じ。

今の妻:住まい(4,000万)
今の妻の子:預貯金(4,000万)
先妻との間の子:1,000万

合計が合わないのは減殺なので遺産分配に割り込む形じゃなく分配後に横取りする感じだから。何も指定しないと等分になるようで妻から500万、子から500万を貰う権利があると。でも家を500万分だけ寄越せって言われても困るよね。お金で受け取れれば合意に至るケースがほとんどらしいけど遺言で減殺をどこからするかの指定を出来るらしいので念の為に家以外を減殺対象と明記しておいた方が良いだろなー。遺留分減殺請求権の消滅は減殺すべき遺贈・贈与の存在を知った時から1年間、相続開始から10年だそうです。請求する側は「そろそろ死んだだろ?」って確認を9年ごとに入れればいいわけか。うまい事やれば遺留分をゼロに出来そうな気もするけどそんな遺産を受け取る予定がないのでここまで。