目次
小青竜湯、甘草湯、五虎湯、銀翹散に続いて葛根湯(液体)も比較してみます。
葛根湯沼にハマる
葛根湯を調べていたら深みにハマってレンズ沼*1ならぬ葛根湯沼にドボンしました!葛根湯沼だと浸かれば浸かるほど元気になりそうな響き!クソ長くなったので興味ない方は目次から必要な部分だけ読んでください。
Medis' One(メディズワン)とは
ツルハグループでは「M’s one(エムズワン)」「Medis’one(メディズワン)」という2つのプライベートブランド(PB)商品を企画・販売しています。「M’s one」は化粧品や育児用品、食品、日用品など、「Medis’one」は医薬品の分野で幅広くラインナップ。
同じ画像からメディズワンのみを緑枠で囲いました。はい、
ハピコムと完全に重複してます。ドラッグストアは再編が激しかったからその影響なんだろうけど新しいの始まったら古い方は畳んで欲しい!
ツルハドラッグが手がけるプライベートブランドだけどハピコムとカブってるよって覚えて下さい。
ドラッグストアで漢方薬が作れるの?
ドラッグストアで薬は作りません。薬を作るのは製薬会社です。例えばハピコムの葛根湯(液体)は滋賀県製薬が作っていて以下は同じ商品と思われます。
左は滋賀県製薬が直接売ってる葛根湯液WS、右はハピコムが売っている葛根湯液WSです。直売の方が安そうだなーと思ったら案の定、滋賀県製薬版の方がだいぶ安く半額近い価格*2。
メディズワンの葛根湯液は大生堂薬品工業が作っています。ハピコムの葛根湯でも顆粒は液体と同じ滋賀県製薬、細粒と錠剤は小太郎漢方製薬が手がけていたり複数の製薬会社を使い分けているようです。
ハピコム |
葛根湯液 |
滋賀県製薬 |
ハピコム |
葛根湯顆粒 |
滋賀県製薬 |
ハピコム |
葛根湯細粒 |
小太郎漢方製薬 |
ハピコム |
葛根湯錠剤 |
小太郎漢方製薬 |
メディズワン |
葛根湯液 |
大生堂薬品工業 |
メディズワン |
葛根湯顆粒 |
クラシエ |
葛根湯・主成分比較
主成分は8種類とも同じ材料*3ですが抽出方法と量が異なります。
No. |
種類 |
服用回 |
主成分 |
主成分 1日当 |
希望 小売 価格 (税抜) |
1 |
|
1日 3回 |
葛根湯 エキス |
4340mg |
表記 なし |
2 |
|
1日 2回 |
葛根湯 エキス |
4340mg |
表記 なし |
3 |
|
1日 2回 |
葛根湯 抽出液A |
60mL*4 |
933円 |
4 |
|
1日 3回 |
葛根湯 エキス |
8,300mg |
1,300円 |
5 |
|
1日 3回 |
葛根湯 軟エキス |
4340mg |
570円 |
6 |
|
1日 2回 |
葛根湯 軟エキス |
4340mg |
498円 |
7 |
|
1日 3回 |
葛根湯 抽出液 |
90mL |
980円 |
8 |
|
1日 2回 |
葛根湯 濃縮液 |
81mL |
980円 |
表だけ見てもわからんかと思うのですが今回は自分も困りました!
8種類とも原材料の量は同じなのに異なる主成分量
今回ピックアップした葛根湯は全て「カッコン8.0g、マオウ4.0g、タイソウ4.0g、ケイヒ3.0g、シャクヤク3.0g、カンゾウ2.0g、ショウキョウ1.0g」から抽出されているんです。なのに主成分量が違う。どういう事なの…?原材料から製品になるまでの葛根湯生産ラインに下請け・孫請け・曾孫請けとかがいて中抜きされまくりなの…?
主成分量、60mLと8,300mgはどっちが多いの?
複数の製薬会社に問い合わせた*5ところ、「他社の製品はわからないがウチの製品はこう」みたいな回答しか得られませんでした。
クラシエ葛根湯液IIは5,200mg相当
以下の2つと同じという回答だったので5,200mg相当という事に。
液体じゃなく顆粒の話になっちゃうけどこれ内容全く同じで10包と12包で量が違う。1包の内容量が違うのか?と思いきや同じ2.0gです。なのに価格設定は同じ1,800円なんですよね。どう考えても12包の方を買うでしょ!何なのこの価格設定は!
さらに液体のクラシエ葛根湯液IIは933円なので半額近い安さ。液体が苦手じゃない限りクラシエで顆粒を選ぶメリットは無さそう。
カコナール(液体)は5,560mg相当
原料使用量は同じながら液体(980円)と顆粒(1,050円)で価格が違うもののカコナール(液体)はこれら同等という回答でした。液体のが飲みやすいけど顆粒・細粒・錠剤より高いって紹介してるサイトをちらほら見かけたけど全く逆の結果に。第一三共でも顆粒を選ぶメリットは薄い。カコナール顆粒にも罠があるので後述を参照。
満量処方とは?
カコナール葛根湯顆粒のパッケージを載せちゃったせいでデカデカと書かれてる「満量処方」の説明も調べるハメになった。くそう。
満量処方とは?
漢方薬は、処方ごとにどの生薬を何グラム使用するかということが細かく定められています。 葛根湯の場合は、使用する生薬の合計が25gになるものをはじめ、18g、17gと 数種類の処方が存在します。OTC*6漢方薬の場合、満量処方(100%)だけではなく、3/4処方、1/2処方など 100%ではない漢方薬も存在します。
北日本製薬 満量処方について
合計25gって「カッコン8.0g、マオウ4.0g、タイソウ4.0g、ケイヒ3.0g、シャクヤク3.0g、カンゾウ2.0g、ショウキョウ1.0g」の事だね。なるほどー、と思いきや罠があった。この部分です。
葛根湯の場合は、使用する生薬の合計が25gになるものをはじめ、18g、17gと 数種類の処方が存在
何でそうなったかわからないけど葛根湯の満量処方は4種類あるようです。葛根湯四天王が争って引き分けになったのかな?
葛根湯の満量処方はあてにならない
25gでも17gでも同じ「満量処方」と名乗れるならこれだけで判断は出来ない。25gの3/4処方は18.75gなので18gの満量処方より3/4処方の方が使用している生薬量が多いという逆転が起きる。調べといて何なんだけど今回メインで比較している液体タイプの葛根湯は全て25gの満量処方なので関係ない。ぎゃふん!
顆粒の話が続いちゃうけどカコナール葛根湯顆粒とカコナール2葛根湯顆粒を比較すると内容は同じで量と飲む回数が違う*7だけですが1箱当りの量が違う(12包は24g、6包は18g)のに同じ価格(1,050円)なのが謎。同じ値段なら12包の方がお得じゃないか!何なのこの価格設定は!(2回目)
2回タイプの方が製造工程でコストがかかっているので同額(少ないのに高い)になってしまうとの事。わかりにくいなあ。
カコナール 葛根湯顆粒 |
カコナール2 葛根湯顆粒 |
カコナール2 葛根湯顆粒 |
12包 |
6包 |
12包 |
|
|
|
24g |
18g |
24g |
1,050円 |
1,050円 |
1,700円 |
43.8円/g |
58.3円/g |
70.8円/g |
これで3つとも効果が同じってなあ。
液体に戻って比較します。
カコナール |
カコナール2 |
葛根湯抽出液 |
葛根湯濃縮液 |
90mL(30×3) |
90mL(45×2) |
90mL |
81mL |
980円 |
980円 |
字面だけ見ると
「2だし濃縮の方が効きそう!だけど量が1割少ないな」
「でも値段は一緒なの?なんで?」
と思いながら問い合わせら「同等です」という回答でした。なんと…!2って数字が付くって事は後発商品だろうに何の進化も無いとは…。さらに濃縮という単語に対するイメージが崩壊しました。
エキス製剤じゃ効果は薄い!漢方飲むなら煎じ薬!と言われるが
製薬会社ではない漢方薬を扱うサイトに行くとよく書いてあるのがこんな図。
煎じ薬にこだわる理由 | 和薬・漢方の『本草閣薬局』|名古屋鶴舞本店 緑店
エキス製剤はインスタントコーヒーで煎じ薬は本格ドリップコーヒーだと言われると「そんなに!」って思ってしまうよね。でも煎じ薬の真贋を見極められない消費者の立場からすると煎じ薬に詳しくなるより何も調べずCSRしっかりやってる製薬会社を選ぶ方がコスト安いなー、と思ってしまう。
カコナール2の製法は煎じ薬に近いと言うが
Q:説明書に「エキス製剤ではありません」と書いてありますが、どういうことですか?
A:カコナール2は「煎じ薬」の製法を工業的に確立し品質を安定させた抽出液製剤ですから、生薬の効きめが損なわれません。一般的に、漢方薬は、煎じてその場で服用するのが普通で、保存がききません。煮詰めてエキスとして保存する方法がありますが、この方法では、熱を加え過ぎたりして有効成分が損なわれる可能性があります。また、このエキスに水を加えて液剤とする場合、溶け切らない成分をろ過などで除去すると有効成分の減少などが起きることもあります。
こんだけ推してるくせにカコナール(エキス製剤)と同等て!葛根湯濃縮液を81mlじゃなく90mlとして作ったら上回るんだろうけど。
実売価格ベースだとどれがお得なの?
価格をクリックするとショップページに飛びます。2,000円前後で送料が無料になるお店のみに絞っています。
No. |
種類 |
主成分 1日当 |
ネット価格 |
比率 |
1 |
|
4,340mg |
524円 |
1.00 |
2 |
|
4,340mg |
592円 |
1.00 |
3 |
|
5,200mg |
509円 |
1.20 |
4 |
|
8,300mg |
476円 |
1.91 |
5 |
|
4,340mg |
1,027円 |
1.00 |
6 |
|
4,340mg |
919円 |
1.00 |
7 |
|
5,560mg |
756円 |
1.28 |
8 |
|
5,560mg |
673円 |
1.28 |
4番「ツムラ 葛根湯」の圧勝です。
ネット価格と店頭価格はまちまちなので比率も追加しています。
4番のツムラが主成分量1位のくせに最安で比較になりませんが例えば4番が955円(2箱で1,910円)という価格設定のドラッグストアがあったとします。4番の1.91に対して3番の比率は1.20なので4番が955円なら3番は600円(2箱で1,200円)で同等、600円未満ならおトクという事になります。が、計算めんどいんで
「葛根湯(液体)はamazonプライムで買うツムラがおトク!」
プライムじゃない人は「ビックカメラで買うツムラがおトク!」
って覚えておけばいいと思います。
他の漢方もそうですがネットだと送料がかかるので上記の最安値は参考程度に。1,900円以上で送料が無料になる上に日用品も多数取り扱っててまとめ買いのしやすい爽快ドラッグがオススメなんですがツムラの葛根湯に限っては高いのでビックカメラがお得です。ビックカメラも1,900円以上で送料無料なんだけど家電店なので日用品まとめ買いには向いてないのがネック。
主成分量が多ければ良いというものでもない
あくまで主成分量に対する価格が安いものを優勝扱いしていますが人それぞれ体は違うので多ければ多いほど良いわけでは無いようです。主成分量が少なくても安いものがあれば試してみる価値はありそう。はー、疲れた。