笑顔の効果

電車に乗っていたら途中の駅で男の子を抱っこした女の人が入って来た。それまでは静かだったのにドアが閉まると男の子が号泣。どうもホームにパパがいたっぽい。後方へ去り行く窓の向こうにあるホームへ向かってしきりに手を伸ばす彼。

泣き叫ぶ我が子を抱えたまま俺の隣に座るママ。気まずい。

基本的に小さな子供なんてワガママを言う事が仕事と思っているので隣でギャーギャー泣き叫ばれる事自体に嫌悪感はない。今回みたいに明確な理由がわかっていれば尚更。それよりも嫌なことがあって何かと言うとお母さんが周囲の目を気にして焦ってしまう事。まだ「子供なんだから仕方ないでしょ!」って開き直れるママの方がマシ。印象は悪いけれど悪いがゆえに居た堪れない気持ちは芽生えないんで。何度か遭遇してるんだけど何度見ても落ち着かないなー。「気にしなくていいよ!」と思っていて言いたい気持ちもあるけれど逆効果な可能性もあるわけで結局は黙って見ているだけなんだけど。出来るだけ穏やかな表情でいるようにする事しか出来ない。「子供がギャーギャー泣いててうるせーなー降りろよバカママ」なんて表情に見えなければそれで御の字だよ!最近ちょっと欲が出て来て好意的な笑顔を模索中です。

そんな考え方で気まずいなぁと思っていたけれどお婆ちゃんもいたようでその点に関しては問題なかった。ママの性格にもよるけれど知り合いが一人いるだけで違うよなー。映画なんかでも列車の別れって号泣フラグなわけだし改札あたりでパパとお別れしてから電車に乗った方が号泣指数は低かったのかな?大して変わらないか。

男の子はまだ泣いている。抱っこから降りてママの引っ張る手を振り切ろうと必死でドアの方へ向かおうとしてる。アッチ!えぐっえぐっ・・・アッチ!と叫んでいる。その状態が4駅(時間にすると10分ぐらい。思ったより短いな)ほど続いたので「諦めない男!お前はミッチーだな!」とか考えてニヤニヤしてたら男の子と目が合って時が止まった。



そして、止まる前よりも激しく泣き始めた。