まずは残業自体の必要性を問うべき

残業代の出ない残業が増えた場合、可処分所得も時間も減るわけだから、消費が冷え込めば、内需の産業には結局影響が出るだろう。海外との競争力を重視する経団連には、どうでもいいことかもしれないが、生産過剰の消費減退で不景気になってしまう。だから、「ホワエグ関係ねー」と思いがちだが、市場を鳥瞰的に見ると実は関係があるのだ。

ホワイトカラーエグゼンプションは良くない!って意見もまあわかるんだけど唯一この辺りが納得いかないんだよなあ。とりあえず自分がいるIT業界に限って話してみます。まず、残業代が出ないと可処分所得が減るってその通りなんだけどさ。

そもそも残業代ありきとして年収を考えてるのが歪んでるんじゃない?

残業代とはその名の通り通常勤務時間を超えた時間労働に対する報酬だよね。となると残業がなかったら当然受け取れないお金なわけだ。なのにそんな話は一切出て来ないのが不思議。逆にサービス残業の話は出て来るのにね。

まず先に考えるべきなのはその残業は本当に必要なのか?って事だと思う。

サービス残業だろうが現在残業代が支払われている残業だろうがそんな事は関係ない。本当にその残業は必要なんですか?と改めて問う必要がある。意外と不要なケース多いよ?クライアントが目にする可能性が限りなく低い仕様書を上司の思いつきで追加した事ってあったりしませんか?そうです。部下である当人だけでなく同僚や上司も加担してるんです。だから自覚出来ない。具体的な例があまり出せないけれど何ていうか繁忙期には決してやらなかったであろう事を閑散期には何故かやってしまうという傾向が確実にあると思う。

IT業界で言えばデスマーチ経験者にその傾向が強い。例えばデスマにハマって月間300残業時間とかを経験したとする。そうするとその後は100時間ぐらいまでは定時みたいなもんなんですよ。17時半に帰ろうものなら「お、今日は早退?」なんて声をかけられたりする。だから月に100時間ぐらいは無自覚に仕事を埋めてしまったりする。それはまさしく

支出が収入に限りなく近づいて行くように。
大き目の収納を買ったのに本来余るべきスペースまでモノが増えて埋まってしまうように。
食べ放題の店で食事をした翌日の夕食は通常の量では満足出来ないように。

つまりホント無自覚にやってしまう行為なんですよ。だからきちんと再確認するべき。もちろん近い将来に自分の負担が減るような残業はするべきですよ。それは未来の自分に対する負荷を減らすわけですから。でもほとんど必要ないと思いますね。意外とやらなくていい仕事って多いんですよ。何なら脳内で同僚を2,3人ほど殺してみると良いです。どう?仕事すっごい増えた?その状況で今抱えてる仕事に優先順位を付けてみてください。ほらー、さすがに同僚が2,3人欠けたら出来ないっしょ?てことは仮にそうなったらやらないわけだ。で、お客さんに釈明出来そう?出来る部分もある!じゃそれやんなくて良いんじゃね?

ってな考え方はどうでしょうか。

まあこれを徹底的に実現すると普通のサラリーマンは俺を筆頭にズンズン年収が下がるわけですが!生産性って意味ではこう考えた方が良いんじゃないかと思います!これを考えないで残業代ゼロ法案ハンターイ!って言うのは無能CO*1と同じじゃないかと心配で出来ません!

*1:カミングアウト