- 作者: 伊坂幸太郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/11/29
- メディア: ハードカバー
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ようやく読みました。やっぱ伊坂作品好きだわー。
主人公がいつのまにか首相を暗殺した犯人に仕立て上げられてさあどうする?ってストーリー。時系列が前後してて面白い。こうこうこういう事件がありました。それに対するみんなの反応はこうでした。では事件当時の模様をお伝えします、みたいな。
魔王でもそうだったんだけど例によって要所要所で伊坂の最大テーマである難しい話は笑い話にくるんで投げちゃえ!が織り込まれていて楽しい。政治がテーマな話ってつまらなくなりがちだと思うんだけど伊坂はそれを嫌う。どんなに辛い世の中でも救いがあるかもしれないって可能性が希望へと変わるわけで絶望より希望の方がやっぱり良いもんなあ。キャラがそれぞれ味を出してるってのもいつも通り。子供の割にませた事をしれっという七美も良いしロックかどうかでしか物事を判断しない岩崎も良い。逃亡中に出会った若者グループなんて映画だったらエキストラなんだろうけど服を交換するシーンとか声出して笑った。
ラストはこれまた例のよってバラまかれた伏線を回収してくんですがわかっててもニヤニヤしてしまう。それにしても作品中でも言われているようにケネディ暗殺は謎が多いよなあ。オズワルドが逮捕後に殺されてるってホント胡散臭いもの。仮に陰謀論が合ってたとしたら違和感バリバリなのに作戦を強行した理由が気になるよね。事件のゴタゴタが終息してから「今にして思えば殺すこともなかったっていう・・・」とか言ってそう。その点において日本の三億円事件は暴力が無いので良いですね!伊坂好みの犯罪なのかもと思ったり。って陰謀と決め付けすぎですかね。でもどう考えたって警察がグルになって外国の保険会社から金を巻き上げた事件だよね!