ホームレス中学生

ホームレス中学生

ホームレス中学生

今さらながら読んでみた。タイトルから勝手に中学時代ずっとホームレスだと思ってたけど夏休み中のわずかな期間だったんだね。そりゃそうだよなあ。

父親が「解散!」と言ったエピソードは聞いた事があったので親父はロクデナシだなーとかずっと思ってた。でも実際は意外と複雑で不運に不運が重なって心が折れた的な感じがしました。まあ最初の不運である母親の死を招いたのが父親だと見るならば自業自得なんだけど。

そこは憶測の域を出ないので放置しとくとして読みどころは主人公の周囲の温かさ。30年近く前だからって可能性はあるけれど同級生の家族やら近所の人やらが非常に優しい。住むトコ無いならウチに住め!なんてなかなか言えるもんじゃないですよ。まあ成人するまで面倒看なきゃならない的な最悪ケースを想定せず勢いで言ってる感は無きにしも非ず。でも結果的に少年・田村裕は救われたわけで良い話に仕上がりました。

例えばここで周囲が躊躇してたらどうだったか。安易な考えで面倒は看られません!って決して間違った考えじゃないけれど安易な方がこういった好結果を生むこともあるんだよなあ。その辺は運で片付けたくないです。温かい気持ちが全てを好結果に導いたと思う。思いたい。あ、最終的にはみんなで家賃出し合って一軒家を借りてくれて生活費は生活保護でまかなってました。高校生の時には1日2,000円貰ってたって言うから激貧では無さそうかな?食費だけだとすごい貰ってる事になるけど家賃・水光熱費以外の生活費って事だよな。それで月6万か。やっぱ多いか。

それにしてもホームレスな未成年って男はいいけど女は厳し過ぎるよなあ。生理とか女子は簡単に野宿出来ない造りになってるし。当時女子高生だったお姉ちゃんは相当大変だったんじゃなかろうか。