新世界より 上

新世界より 上

新世界より 上

これまた何の前情報も無く読んだ。35歳の主人公が過去を回想する形式で始まる。少ししてすぐに違和感。現代というか現実世界と何かギャップがある。世界観が違う。そして呪力という言葉の登場。サイコキネシスみたいなもの?なるほど、現代ではなく未来の話か。それも呪力という単語からもわかるようによくある想像の範囲内ではなく少し飛躍したSF世界が広がっている。俺に取って萌え要素がてんこもりなので箇条書きしとく。

呪力

サイコキネシスは使えたらいいなーとは常々思う。どのくらい思うかというと「俺で制御出来るのだろうか?暴走したらどうしよう!」と真面目に悩むぐらい。まあ俺が使う念力なんて世界を滅ぼす威力は無いのですが暴走したらみんなから殺されるわけでそれは嫌だなあ、と。アホか。あと今回のケースだと全員がオールマイティなのが新鮮な感じ。イメージ的にファイアスターターとかサイコメトリーとか1人1能力なストーリーが多い気がするからかな。

家路

タイトルが「新世界より」なので切り離せない感じ。この曲が流れたら子供は家に帰る。けどあんまピンと来ない。ウチの地元だとゆうやけこやけだったからかな。17時とか17時半になるそれって実際よりスローテンポだよね。7SEEDS 12 (フラワーコミックスアルファ)にも家路は登場するけどみんなドヴォルザーク好きなんだなあ。そっちもサブタイトルで新世界よりって使ってた気がする。未来じゃなくて新世界って単語を使うのが好き。響きがいいよね。

実在しない動物

ミノシロ、バケネズミ、不浄猫、風船犬など現実世界には存在しない魅力的な動物が多く出て来る。それぞれのエピソードが興味深く入り込んでしまう。ミノシロはトカゲの尻尾切りみたいな事が可能なんだけどそれで交渉するってのが面白い。見た目はグロそうだけどバケネズミのセリフだけ追ってるとかわいい。「ア★ガト、アイガト。キキキキキ。カカカカカ★ssh・・・・・・サマ。カ・ヴィー・サマ」とか喋り方がたどたどしいと愛らしさが出るよなあ。話それるけど外国人が拙い日本語で喋ってると見下す日本人いるけど彼らは日本語に慣れてないだけでお前より賢いケースがほとんどだぞヴォケがって思う。

学校

呪力を使う生徒たちが通う学校なので実在する教育とは当然違う。搬球トーナメントという呪力を使った班対抗戦はエム×ゼロ 1 (ジャンプコミックス)を連想させられたので映像が浮かびやすくて楽しかった。

消える同級生

これまた7SEEDSに似てる。7SEEDSでは原始世界でも生き抜けるよう特殊な訓練を積まされた子供たちが脱落すると全て殺されている。脱落した生徒でさえ身体能力は異様に高いわけで一般社会に放り込まれてオリンピックに出たら世界新続出したりして大混乱だもんなあ。

恋愛

呪力という強力なパワーを得てしまった生物が何を恐れるかという事になるわけだが同士討ちです。これは呪力じゃなくて武力でも言える事だよね。現代の強力な武力を暴走しないようにコントロールするのが難しいのと同じで呪力も色んな面で配慮されている。大きく分けて二つ。一つは次に書くとして一つは仲良しコミュニケーション。社会全体でボノボと同じような事を推奨している。

両性間の交尾、ホカホカと呼ばれる雌同士の性器のこすりつけ行為、雄同士の尻つけ行為など、性的な行動のほとんどが挨拶や社会的な緊張緩和の行為として行われている。 人間だけが用いると考えられていた正常位を、ボノボが行うことも発見されている。

すごくホカホカですぅ・・・。うん、察しのいい人はすぐ気づいたと思う。ホモもレズもオールOKだ。もちろん男女間でも構わない。積極的にチュッチュしなさいってこった。挿入だけは許可申請が必要だけどね!描写も割と細かくなされてるんで興味ある人は読んでみるといいんじゃないかな。中学生同士でうわあ・・・。

愧死機構

イジメしないで愛撫しようと新世界のイチローが言ったかどうか知りませんが愛撫推奨策以外にも衝突回避策が設置されている。それが愧死機構と呼ばれる自爆装置だ。呪力に限らず人を傷つけるような行為を発動すると呪力でオート自殺してしまう。良心の呵責も極端に動作すれば現代でも起こりうる事象だよね。これは即座にHUNTER×HUNTER 25 (ジャンプコミックス)を連想してしまった。ちょっと意味合いが異なるけれどクラピカの律する小指の鎖(ジャッジメントチェーン)が近い気がしたので。

図書館

もはや図書館と呼べないぐらい進化してる図書館がステキ過ぎる。自走式アーカイブだけでも萌えるのに自律進化型て。

病気

悪魔や妖怪は人間の恐怖心が産み出した幻とか言われますがホントそうだと思ってまして悪鬼や業魔が症候群という形で言い換え可能なのはすごく面白い。

戦争

バケネズミとの戦いは五分後の世界 (幻冬舎文庫)のアンダーグラウンドを連想した。モグラのように地下へともぐって暮らしたり戦闘したりしてるせいか。特にバケネズミの女王の容姿が地下に逃げ込んだ人間とカブってすごい怖かった。


以上がざっくりとした素敵エッセンスです。ワクテカしながら下巻へと進むことにします。瞬くん!