デバッグ・ガール

デバッグ・ガール

デバッグ・ガール

正社員にならず派遣社員として次から次へと優良企業を渡り歩き玉の輿を狙う23歳女子の話。優良企業ばかりを狙っている為、次の企業への派遣が決まるまでに間が空いてしまうのだがさすがに生活が厳しくなり仕方なくゲーム開発会社に社長秘書として派遣される。が、ゲームと言ってもギャルゲーで社内はオタクの巣窟だったっていう。

仕事はテキトーにこなし合コンにかけるという生き方は貫けば悪くない気もするけど実際はどうなんだろね。作者は男なのでもっとあからさまにバカな女を描くかと思ったけどそうでもなく、単に玉の輿を狙っているわけではない。見た目だけでなく料理教室に通ったり資格を取ろうとしたり内面を磨く努力はしている。けれどそれでも自分が本心からやりたくてやってるわけじゃないしなあとモヤモヤが募るって流れ。デバッグガールってタイトルに特別意味はないと思ってたけどラスト付近で心のデバッグとか抜かしやがるの。その発想はなかったくそう。致命的なバグは精神面でも取り除くべきだし皆そうやって生きていると思うけどパフォーマンス面はどうかなあと職業柄考えてしまった。心のどこかにボトルネックが発生していてパフォーマンスが落ちていたら致命的なバグでなくても改善しなきゃだよなあ。

方向性は真逆だけど株式会社ネバーラに似た雰囲気だった。読後感は悪くないけどだらーっとした感じですね。