月収53万だと高額療養費制度の上限が倍になる
医療費の月額が8万だかを超えるとそれ以上は国が補填してくれるってのは知ってたけど月収53万で上限が2倍近くの15万超になるって知らなかったので箇条書きメモ。
目次
高額療養費制度とは
医療機関や薬局の窓口で支払った額(※)が、暦月(月の初めから終わりまで)で一定額を超えた場合に、その超えた金額を支給する制度です。
※入院時の食費負担や差額ベッド代等は含みません。
100万円の医療費で、窓口の負担(3割)が30万円かかる場合
負担の上限額 80,100円+(1,000,000円−267,000円)×1% = 87,430円
212,570円を高額療養費として支給し、実際の自己負担額は87,430円となります。
負担の上限額は、年齢や所得によって異なる
70歳未満
所得区分 | 1か月の負担の上限額 |
上位所得者(月収53万円以上の方など) | 150,000円+(医療費−500,000円)×1% |
一般 | 80,100円+(医療費−267,000円)×1% |
低所得者(住民税非課税の方) | 35,400円 |
ここでいう月収は標準報酬月額の事のようです。標準報酬月額は4,5,6月に残業控えろってあれですね。計算じゃなくて実際がどうなってるか知りたいよって人は今だとねんきん特別便を見るのが手っ取り早いのかな?と思ったけど標準報酬月額が記載されるのは35歳、45歳、58歳の時だけなのかな?
となると社会保険事務所か社保庁サイトで確認だ。会社に聞いてもいいけど会社がミスってる可能性もゼロではないから良い機会と捉えて自ら確認して想定と現実に乖離がないかチェックするのもいいかもしれない。
100万円の医療費で、窓口の負担(3割)が30万円かかる場合(上位所得者の場合)
負担の上限額 150,000円+(1,000,000円−500,000円)×1% = 156,500円
143,500円を高額療養費として支給し、実際の自己負担額は156,500円となるって事か。計算するまでもなく8万が15万になってる時点で7万高いわけだけど。52万と53万でエライ差が出ちゃうけど所得税みたくその辺り、ライン上でフラフラしてる人たちへの配慮はないのかなー。
以下はおまけであって所得がどうこうとか関係ない話だけど私の年収は1000万ですな小町フリーザなおまえたちも高所得者から一般に落ちてついでに高額医療費制度を利用する機会が無いとも言えないから覚えといていいかも。
負担軽減の仕組み(1)世帯合算
お一人の一回分の窓口負担では、高額療養費の支給対象とはならなくても、複数の受診や同じ世帯にいる他の方(同じ医療保険に加入している方に限ります。)の受診について、窓口でそれぞれお支払いになった自己負担額を1か月(暦月)単位で合算することができます。
医療費 | 自己負担 | ||
被保険者A | 甲病院 | 20万 | 6万 |
被保険者A | 乙薬局 | 8万 | 2.4万 |
被扶養者B | 丙病院 | 10万 | 3万 |
合計 | 11.4万 |
個別では対象にならないけど世帯で合算すると11.4万は対象になって上記ルールに従って補填されちゃう。医療費控除が合算で出来るのは知ってたけど高額療養費もそうだったんだなあ。
負担軽減の仕組み(2)多数回該当
直近の12か月間に、既に3回以上高額療養費の支給を受けている場合(多数回該当の場合)には、その月の負担の上限額がさらに引き下がります。
70歳未満
所得区分 | 1か月の負担の上限額 |
上位所得者(月収53万円以上の方など) | 83,400円 |
一般 | 44,400円 |
低所得者(住民税非課税の方) | 24,600円 |
年間3回以上も高額療養費の支給を受けてると表がこう変わってほぼ半額になるって事だけど3回以上って壮絶な状況だよね・・・。
手持ちが無い時の前払い制度
入院される方については、加入する医療保険から事前に「所得区分」の認定証を発行してもらうことにより、医療機関の窓口での支払を負担の上限額までにとどめることもできます。このため、一度に用意する費用が少なくて済みます。
通常は医療費を支払った直後にもらえるわけでもなく申請して後日支給されるので30万を払った状態で待たされる事になる。申請から支給まで3ヶ月待ちって話なので余力というか預貯金の無い人は利用した方が良さそう。この認定証があれば通常は30万支払って3ヵ月後に21万貰う手順のところ、ダイレクトに9万払えばOKになる。他にも8割程度だけどすぐに貸してくれる高額療養費貸付制度もある。
高額療養費は、同一月に支払った医療費が、一定の自己負担限度額を超えた場合に本人の申請により支給されますが、医療機関等から提出された診療報酬明細書(レセプト)の審査を経て行いますので、支給決定までに3ヶ月以上かかります。そのため、当座の医療費の支払いに充てる資金として、高額療養費支給見込額の8割相当額を無利子で貸付を行う高額医療費貸付制度が設けられております。
参考
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2013/09/27追記
高所得者医療費 上限引き上げへ
この記事を書いた時は大半の人に無関係な話だったけど対象がだいぶ広がりそうな動き。
年収が210万円以上370万円未満の場合、月8万円余りの上限を6万円弱に引き下げます。これに対し年収が770万円以上の人は負担の上限が今よりも増え、1160万円以上の場合、上限は月およそ15万円から25万円余りになります。
現行の標準報酬月額53万って年収にするとどのぐらいなのか、って書いちゃうと調べるキッカケにならないかと思って書かなかったけどこんな感じ。世帯合算の話を書いていたのに収入の世帯合算を忘れてた。共働きだとあっさり超えちゃうね。こういう話を聞かないのは高所得者が少ないからだと思ってたけど意外とハードル低いからそっちの理由より利用者が少ない*1って事だね。
高額療養費の負担上限額は現在、70歳未満の高所得者(夫婦の年収で790万円以上)の場合、1カ月で約15万円。これに次ぐ所得者層(210万円以上790万円未満)で約8万円だ。
2014/11/05追記
月収53万未満なのに高額療養費の上位所得者に該当するケース
タイトルに誤りがあったので訂正エントリを書きました
2014/11/20追記
医療費が高額になっても月8万どころか2万で済むケース
もっとお得な制度があったのに忘れてたので書きました
legnum.hatenadiary.com
*1:月8万以上も医療費使う人がレア