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スナーク狩り

スナーク狩り

スナーク狩り

宮部みゆきスナーク狩り (カッパ・ノベルスハード)を読もうとしてたのに何故か本物を先に読んだ。ルイスキャロルの作品はアリスとか有名だけど気がつけばまともに読んだことがない。だから自分の中のキャロル像(アリス像)はそれほどシュールでも無かったんだけどこのスナーク狩りはシュールで謎に満ち溢れてました。このスナーク狩りには解説というかいろんな解釈が載っていて面白い。スナークとは何なのか。ブージャムとは一体。

その謎を明かすことなくキャロルは亡くなった。先人たちはキャロルの死後も必死に解読を続けていたようだけれど未だ正解はわからないまま・・・という事になっているけれどよくよくキャロルの言葉(友人への書簡など)を辿ってみると実際はイメージとちょっと違う。彼は「スナークが何なのか、ブージャムが何なのか私自身わからないのです」と言っている。これをみんなが「キャロルは真実を煙に巻いている」と言っているんだけどそんな事はないんじゃないか。本当にわからないまま書き上げた作品のような気がしてならない。後世の人たちが勝手に拡大解釈してるだけじゃねえか、と。

もっとも、だからと言ってスナーク狩り自体の魅力が落ちるわけではない。彼の子供好きは本当であったように感じるしシュールで短い文章ながらそこにはたくさんのドキドキが詰まっている。訳が素晴らしいせいもあるかな。

For the snark was a boojum, you see.
そう、かのスナークはブージャムだったのさ

いいなあ、この終わり方。あとホリデイの挿絵も良いです。Wikipediaに1枚だけ載っていますけど他の数枚も奇妙でワクワクする。キャロルは挿絵にも細かく注文したそうなので文章との相関性は大きいんだろうとか考えるとさらに楽しい。

あとはキャロルが数人の少女宛てに書いた手紙の話が無ければホント完璧でした。縦読みで少女の名前を埋め込んだ手紙を出しまくるなんて現代じゃ連行されますよ間違いなく。