The Book

The Book―jojo’s bizarre adventure 4th another day

The Book―jojo’s bizarre adventure 4th another day

やべえ装丁がかっこ良い。内容は一応ジョジョを知ってる人が書いたストーリーだなって感じなんだけど展開がちょっと鬱入ってて若い人、えーっと俺が初めてジョジョに出会ったのはいつだっけか87年か!小学生だなあ。それだと厳しいかもしれません。

序盤は原作を知ってる人は楽しく読めるように結構細かく元ネタ出してるんでやるなあって思った。鋼田一豊大のくだりは不要な気もしたけどビルの谷間エピソード語る上ではちょうど良い感じでした。で、主人公の男がスタンド使いなわけだけれど能力が岸辺露伴とカブっててあれ?ってなった。ただ根本的な部分は違ってて本が具現化するのはハンター×ハンターを連想させられた。ブック!ゲイン!あと悪役のオッサンが吉良吉影を彷彿とさせる立ち振る舞いだってのもまあ良かった。トラサルディーの料理はホント一度で良いから食べてみたい。なんて真面目に思う俺はどんだけ病んでんだ。

そういった小ネタとは別であるメインストリームはハッキリ言って暗い。ビルの谷間はキツイなー。昔これと似たような感覚がした本があった事を思い出して検索してみたらあった。D‐ブリッジ・テープという小説。あらすじ乗っけとこう。

近未来の横浜ベイブリッジは大量のゴミに溢れていた。その中から発見された少年の死体と一本のカセットテープ。そこには恐るべき内容が…。斬新な表現手法と失った感性が新たな地平を拓く野心的快作。

設定とかは山田悠介みたいな拙い感じがするんだけど読了後のダメージと言ったら他に勝るものは無い気がする。今回の物語も似たような感覚があったなあ。リングも初めて読んだ時はキツかったけど現実から切り離す事が出来なくも無いのでこれとD‐ブリッジ・テープは別格です。別格と言っても作品全体のクオリティが格上って事ではないけれど。人としての尊厳を奪うような展開が苦手なんだきっと。

あとがき読んだら乙一のヤロウすっごいジョジョファンだったらしく中でも第四部が一番好きで嬉しかったとか言ってんのな。それだけファンの割にはジョジョフリークを喜ばせる要素に欠けた気がするけど原作をちょっと捻っただけの同人誌みたいな物語になるよりはこっちの方がマシかもしれないと思ったり。