保育園の記憶

二つのエントリを読んで思い出した事をメモ。特にドラマチックなエピソードはないです。黒歴史ってのもちょっと違うのかな。

消えた女の子 - wHite_caKe

幼稚園の記憶 - 真夏に悪い夢を見る

幼稚園じゃなくて保育園だったんだけど母親は専業主婦でした。たぶん近所の子どもたちがみんな通ってるからって事で選んだんだろうけど入園直前に「お母さん働いてないと入れませんよ?」と知らされて号泣したそうで不憫に思った園長先生兼住職や父兄の方が仕事を紹介してくれるという意味のわからない騒動があったみたい。順序逆じゃねえか。まあハタチの小娘が号泣してたら助けちゃうよね。4歳にしてゴネ得ってロクな死に方しない気がしてきた。


保育園の記憶で一番覚えてるのは二階建てバスの絵を描いた時。みんなは画用紙の下の方に横線引いてそこから下を茶色に塗って地面、その横線にくっつく形で上にタイヤを書いていた。けれどクラスの暴れん坊K君だけは違った。タイヤが地面にめりこんでいたのだ。貼り出されたK君の絵の前に園児が集まってヒソヒソ話してる。余計な事を言うと殴られるとわかってる子たちだ。4歳だから当然空気読めない子も多くて誰かが言った。


「なにこれ?タイヤが地面にめりこんでるじゃん」


バカー!とおれが思う間も無く後から来たK君が言い返す。「めりこんでないんだよ!」でも堂々巡り。「え?めり込んでるじゃん」「キー!これでいいんだよ!」で、しばらく眺めてて気がついたんだけどこれってもしかして大人の描き方なんじゃね?と。みんなはありがちな真横からの絵だったけれどK君は斜め上からの構図を選んだのだと。そしてK君はそれを説明出来ずにただひたすら怒っている。説明されないからみんなも理解出来ない。でまあおれはわかってるじゃん?しょうがねえなー、とおれが次に発したセリフ。


「このタイヤってラジアルタイヤじゃね?K君さすがだなー」


うん、説明放棄して媚びる方向にシフトしたよね。わからん奴にはわからんだろうからどう説明していいかわかんないしK君はどんどん怒っちゃうし。未だにラジアルタイヤが何かよくわかってないけどCMでやっててすげえタイヤってイメージがあった。でまあ「ラジアルタイヤ?」「ほらテレビでやってる」「あ、なんかカッコイイやつだ!」「すげー」みたいな流れになって騒動は落ち着いた。


もう30年以上前の話だけどこれ何度思い出しても恥ずかしくて死ぬ。今にして思えば人生初のツッコミどころをスルーされた体験でもあるね。というかこんなのK君すら覚えてなくて俺だけがいつまでも引きずってるだけだと思うし「騒動を治める一点にのみ特化した素晴らしいソリューションじゃないか!」とホメてあげたい気もするけどもやっぱり恥ずかしい。K君のパンチ痛かったから仕方ないって事でここはひとつ。