「ソニー生命の学資保険は従来の学資保険と違って貯蓄性が高い」と聞いたので「はぁ?学資保険と言えば元本割れが基本だろうが!どーれケチつけてやるか」と思って調べ始めたらすぐにはケチつけられなくて泥沼にハマっちゃった。金利計算とか間違ってるとこあるかも。
目次
ソニー生命の学資保険
ここでざっくり試算が出来る。例えば現在0歳(2012年09月生まれ)の子で試してみる。
- 目標とする学資金:100万円(+30万2回)
- 保険の種目:I型・中学、高校入学時の資金も用意
- 満期の時期:17歳満期:高校3年の4月に満期学資金
毎月の積み立ては7,210円となり結果は以下。
保険料払込累計額(A) | 1,470,840円 |
受取学資金累計額(B) | 1,600,000円 |
返戻率(B÷A×100) | 約108.7% |
147万しか払わずに160万受け取れる。13万円弱。160万の内訳は12歳で30万、15歳で30万、17歳で100万円が支払われる。上記ページでは具体的な期間がよくわからないが払込累計額から逆算すると以下で17歳になる年の次の3月まで17年間払い込む感じ。
開始:2013年04月
終了:2029年03月
学資保険って年利表記じゃなくて返戻率で書いて来るんだな。これじゃ定期預金との比較が出来ない。なので年利を計算する。と言いたいところだけど100万円を10年預けるみたいな単純な計算じゃなくて積み立て方式なのでめんどくさいー。
定期預金だと?
ちょっと定期預金の仕組みがよくわからないけど学資保険の話なので知ってる人は知ってるだろうし省く。というか普通の定期預金は積み立て方式じゃなくまとめてドカっと入れるわけで比較としては不適当。
元本割れしない理由
ソニー生命の学資保険は通常であれば標準装備の医療保障や育英年金が付いていないから。以下がわかりやすいです。
育英年金が付加されている他社商品とソニー生命を比較して「貯蓄率が高いからソニー生命に決めた」では適正な比較になっていません。
ソニー生命学資保険 | 保険相談はFPへおまかせ
育英年金が無い方がお得?
わかりやすく表にしてみたけど子どもの入院保障があるか無いかの差で払込免除の条件はソニー生命のが幅広いし子ども死亡時は育英年金だとゼロなんだね。
ソニー生命の学資保険 | 従来の学資保険 | |
育英年金 | なし | あり |
契約者死亡時 | 満額支払 | 満額支払 |
子ども死亡時 | 払込済分のみ支払 | ゼロ |
子ども入院保障 | なし | あり |
払込免除 | 死亡または高度障害 | 死亡 |
学資保険代わりとして人気な低解約返戻金型定期保険
ここ数年で学資保険に加入するのではなく生命保険を学資保険代わりにするケースが増えているみたい。生命保険は掛け捨てが主流になっているのに貯蓄性重視型とは時代に逆行してるわけでこんな生き返り方があるんだ、と面白い。どういう仕組みかは以下がわかりやすいです。
低解約返戻金型とは保険料支払期間中の解約返戻金を通常の終身保険、あるいは定期保険の7割程度に抑えたタイプで、保険料が割安になります。保険料払込期間が終了した後は、解約返戻金の払込保険料に対する比率(解約返戻率)が通常の終身・定期保険より高くなるので、これを利用して10年や15年で保険料を払い込む設計にすると、10・15年経過後には払い込んだ保険料より解約返戻金をけっこう増やすことができます。払い込む年数を子どもが大学に入るまでの年数にあわせ、途中解約して解約返戻金を受け取れば、学資保険代わりに使うことができるという提案なのです。
学資保険代わりに低解約返戻金型保険を活用する方法 - 教育資金・教育ローン全般
さらにもう一つポイントが。
生命保険の解約返戻金は所得税の一時所得という扱いになり、受け取った解約返戻金から支払保険料を差し引いた金額が50万円以下ならば税金が掛からないというメリットがあります。上の例では約125万円−約117万円=約8万円ですから、もちろん税金は掛かりません。(学資保険の満期金も同様の扱いです。)
学資保険や定期預金は利子なのでその利子に課税されます。20%です。しかし解約返戻金は一時所得扱いだから非課税という。面白いなあ。
低解約返戻金型定期保険のデメリット
同じ人が書いてます。箇条書きにします。
住宅ローンは低金利時代に固定がお得って言われてんだから逆に利子もらう側なら損って話ですね。これから景気がガンガン上向く想像はまったくつかないけど可能性としてはあるわけでそうなるとリスクもそれなりにあるって話。
身も蓋もない感じの計算
もっかい戻って考えよう。積み立ての金利計算はややこしくて難しい!もっとカンタンに考えよう!そもそもソニー生命の学資保険で得られるお金は17年で129,160円だ。年間7,597円。という事は月にならすと633円。
普通預金の金利がものすごく安いからそこにスポットを当てて比較した場合にものすごーくお得な感じがするけど見方を変えれば月に633円を貰うためにこんなややこしい世界へ踏み込んでいるっていう。低解約返戻金型定期保険も大差ない。もっと言ってしまうか。例えば学資保険の営業さんが
「月に633円を17年間ずっとプレゼントしますから銀行じゃなくウチに預けてください!」
ってお願いしてきたらどうですかね。なんか一気に価値が下がる気がしませんか。子どものためにコツコツと資金を貯めて行く事は儀式っぽい部分あるけど儀式だとしてもそれ自体は良いと思うんです。ただそれが学資保険である必要性は薄い。親が生命保険に入っていれば死亡保障はそちらでカバー出来るし保険がダブって無駄な出費になるのを防げる。
よって比較めんどくさがりな人はこれを理由に銀行積み立て預金で良いと思います。ついったでも言ったけどやっぱり一般人が利子で資産増やすのって無理ゲーなんだよ。
月600円は少ないけど17年なら話は違う?でもお得なプラン探すのに時間かかるし決めるのにも時間かかるよ?
1. 必要な情報を素早く検索する技術を持っている
2. 多くのノイズ情報から正しい情報だけを抽出する技術を持っている
この2つが満たされない人は中途ハンパに調べて決めると損する事だってあるし。だったら最初から調べないで積立にしといた方が労力は少ないよと。あとは支出減らす方が効果がデカい。なんとなくで始めた月額課金のサービスで今は使ってないってものあったりしません?それ解約して積み立てたらどうなる?
お金回りは収入増やしたり資産増やしたりするより支出減らす方が圧倒的に有利だからなあ。切り詰めるんじゃなくて例えば1ヶ月定期券を自腹で半年に変えて5万で5000円バックとか。半年で10%もつく金融商品ないんだから投資信託とか銀行金利とか見比べてる場合じゃない
— れぐなむさん (@legnum) 1月 11, 2013
面白かったけど疲れた。